「ルブロイド潤滑表面処理の技術的特徴について」
ルブロイド潤滑表面処理の技術的特徴について
約20ナノメートルスケールの超薄膜でありながら、トライボフィル ムとして機能し、低摩擦の自己潤滑性と耐摩耗性を実現しています。
原子間力顕微鏡AFMによる摩擦低減機構の確認
起伏に飛んだ粒状物が織り成すトライボフィルム機能が他に類を見ない低摩擦と耐摩耗性を実現しています。
「ルブロイド潤滑表面処理」のトライボフィルムを原子間力顕微鏡(Atomic
Force
Microscope)にてナノメートルスケールで表面形態解析を行いました。
加工油にも活用され優れた低摩擦特性と極圧性で知られる「添加剤有機モリブデン化合物」MoDTC/ZDDP(ZnDTP)のトライボケミカル反応皮膜と対比しながら、「ルブロイド」の摩擦低減機構を解明しました。「ルブロイド潤滑表面処理」表面に観察される筋状模様で、粒が凝集したような形態が観察されています。この形態は、MoDTC/ZDDP被膜の同様の箇所では観察されず、この粒状物がトライボフィルムとして機能し低摩擦と耐摩耗性を実現することで、高負荷摺動条件下でかじり・焼付き(融着)を防止し、高面圧・低摩擦摺動を可能にしていると推察できます。
ナノスクラッチ法による摩擦係数の確認
「ルブロイド潤滑表面処理」では、圧入深さ5nm以下(圧入荷重50μN)で摩擦係数は最小値を示し、MoDTC/ZDDP被膜の摩擦係数より低いことが明確です。
最表面近傍において「ルブロイド潤滑表面処理」のほうは、荷重に対し圧入深さが小さい(削れにくい)傾向が見られました。
上記結果から「ルブロイド処理」では、生成したトライボフィルムの表面直下には低摩擦層が存在し、摩擦軽減を実現していると考えらます。一方のMoDTC/ZDDP被膜は、被膜の生成が少なく、低摩擦層の膜厚が薄いと推察され、それらは、元素定性量状態分析をX線光電子分光分析法XPSによっても確認済みです。